あたしはおひめさまなの。あたしがうちゅうのちゅうしんじゃないとイヤな、おひめさま。
だから、パパとママがあたしいがいをちゅうもくするのはゆるせない。だからあたしはパパが読んでいるしんぶんの上にのっかるの。
きょう、なにかいいことがあったみたいで、パパはわざわざしんぶんを買ってきた。もちろんあたしはじゃまをするの。パパは「くるみ、じゃまだ。あっち行け」ってあたしにいった。ちょっとどういうことよ。
くるみと矢野のゴール、
どっちが大切なのぉ?
あたしはおひめさまなの。あたしがうちゅうのちゅうしんじゃないとイヤな、おひめさま。
だから、パパとママがあたしいがいをちゅうもくするのはゆるせない。だからあたしはパパが読んでいるしんぶんの上にのっかるの。
きょう、なにかいいことがあったみたいで、パパはわざわざしんぶんを買ってきた。もちろんあたしはじゃまをするの。パパは「くるみ、じゃまだ。あっち行け」ってあたしにいった。ちょっとどういうことよ。
くるみと矢野のゴール、
どっちが大切なのぉ?
しゅじゅつをしていっしゅうかんが過ぎた。今日あたしはおいしゃさんにいってきた。
まちあいしつで、あたしはまわりのみんなといっしょに、静かに良い子でいたわ。まわりのミニチュアダックスさんとか、トイプードルさんとかと、くんくんにおいのかぎあいをしていた。みんなしずかにしていたわ。もちろんあたしもね。ラブラドールやゴールデンのレトさんのような、おおきなわんこさんも入ってきたけれど、あたしもみんなも良い子だったわ。
そしたらね、ドーベルマンさんがまちあいしつに入ってたきたの。
あたしはしばらくママのおひざの上で、ドーベルマンさんを見ていたわ。そしてね、
「おるぁぁ。かかってこいやぁ」 ちからいっぱい「わん!」と、吠えたの。もうね、本気吠えよ。本気とかいてマジと読むのよ。マジ吠えね。
ママはあせったみたいで、「こら!」といってあたしのクチを手でとじた。
しばらくして、もうだいじょうぶだと思ったのか、ママはあたしのクチを離した。
あたしはもういちど、ドーベルマンさんにガンを飛ばして を見つめて
「おらおらこのおくびょうものめかかってこいゆーとんじゃぼけぇ」 ふたたびちからいっぱい、本気で「わん!」と吠えたの。本気とかいてマジと読んでね。
そしたら、まちあいしつのひとたちがみんなで、「あは。あは。あはははは」って笑ったの。
どうかしら? あたしって、おいしゃさんでも人気ものなのよね。
ママのえがおは、ちょっと引きつっていたみたいだけれど。
この前れいぞうこの上のだんいっぱいにあったママのしょくりょうびちくが、そろそろ残り少なくなってきたみたい。そしたら、「いせたん」というところでちょうど、ほっかいどうてんというのがはじまった。ママが大好きなしょくりょうもはんばいされているらしい。
ママはきのうおしごと終わった後、はりきって買いに行ったわ。でも、がっかりして帰ってきた。「ポテチもかりんとうも、売り切れていた」って、がっかりしていた。「夜になんて買いに行ったら、お目当てのものは絶対に買えっこない」って、がっかりしていたママ。 そして、「ねえ、ちょっと。お願いがあるの」だって。
あたし覚えたわ。ママがやさしい声を出すときはきけんだって。でも、今回はあたしではなくて、パパにお話ししていた。
今日のお昼前、パパが紙ふくろを持って帰ってきた。あついのにごくろうさんね。「ポテチはあったけど、かりんとうは入荷してなくて買えなかったんだよ」って、メールでママにあやまっていたわ。どんまい。
ま。とりあえずこれでママのしょくりょうびちくはあんたいね。
あれ?
ママは「わたしの分と会社の人の分。ふたつお願いね」って言ってなかった?
ちょっと多くない?
そしたらパパは「俺もこれは、ちょっと好き」って照れてた。
やぁねぇ。
あしたはパパとママと、りょこうに行くの。パパはおしごとなんだけれどね。そして、あたしは船に乗る1時間くらいかばんの中に入っていないとだめなんだって。
6月にさどに行ったときは、ほんのちょっとだけがまんすればあとは出してもらっていたけれど、こんどはずっと入っていなければだめなんだって。
がまんするわ。だいじょうぶよ。
でもパパが今、あたしのかばんを出して 「だいじょうぶかなぁ」 ってタメイキをついた。
だからだいじょうぶ。がまんするって言ってるじゃないの。
え?
大きさ?
うふふふ。ふ。
きょうのにいがたにっぽうの、とくべつばんの中から、
あたしをさがしてね。
うふふふ。ふ。
パパは、「なんで俺の名前になってるんだ?応募したのはキミじゃないか」って、ちょっと不満げだけれど、どんまい。
さて、りょこうにいってこようっ。と。
あわしまに行ってきたわ。
行きはこうそくせんで50分。もちろんいい子でいたわよあたしは。
あわしまにひとつしかないしんごうき。ついさいきんできたばっかりなんだって。しょうがっこうの前にあるの。
ママははじめてのあわしまに、ワクワクしていた。でも、しばらくしたら大雨だったの。 たいへんだったわ。
「自転車で島の反対側に行くつもりだったのに、困ったなぁ」ってパパがとほうにくれていた。あわしまにはバスもタクシーもない。くるまはあわしまに住んでいる人しかもっていない。
おみせののきさきであまやどりをしていると、くるまで通りかかった人があたしを見て降りてきた。おんなのこがあたしを見て 「かわいい。さわってもいい?」てうれしそう。むかしわんこさんをかっていたんだって。でも今はいなくてさみしいんだって。
パパと、その子のおとうさんがお話をしていた。どうやらクルマを借りることになったみたい。
しんせつな人がいて良かったわね。 でもね、これもあたしが可愛いかったからこそ生まれたであいなのよ。そこんとこわすれないでねパパとママ。
かえりのふねが出る前に、みなとできねんさつえいをしたわ。
あたしはあわしまが気に入ったわ。
今日はスポーツこうえんに行ってきた。
わんこさんたちがいっぱいいっぱいいたわ。今日はわんこさんとねこさんのおまつりなんだって。こうえんのしばふでは、わんこさんたちがハードルをじょうずにぴょんぴょんとびこえて、かけっこをしていたわ。
ママは 「ほら。おともだちだよ」って言って近づけてくれるのだけれど、あたしはにげまわっていた。
あたし、わんこさんたちがワンワンほえているのがこわいの。どっちかというと、人のほうがすきなの。それも、おいしいものをくれる人がね。
なんだかきょうはつかれたわ。きづかれってやつね、きっと。
さっきパパがマンションのかんりにんさんにあったんだって。
かんりにんさんはこのまえ、あたしがのったしんぶんを見たんだって。「かわいいですねぇ。って言われたよ」って、パパから聞いた。
あそう。よかったわねぇ。で、あたしにはなにかごほうびくれないの?
そう、ないのね。じゃあいいわよ。
ふんだ。
あたしのしゅみはおひるね。
今日はパパがおしごと始めたすきを見て、ここでおひるねしたわ。
パパは「パソコン、かたずけられないじゃないか」って、ブツブツ言っていた。
どんまい。
あたしはヨーグルトが好き。
ママが食べ終わるとあたしにくれるの。
うれしいけれど、でもね、少ししか残っていないから、かおをつっこんでペロペロしなきゃいけない。お鼻がまっ白になっちゃうの。
あたしのゆめは、たっぷり入ったヨーグルトを食べることだわ。
あたしはお出かけしたいの。またりょこうにいきたいわ。
あたしおぼえたの。バッグの中に入れば、りょこうに連れて行ってもらえるの。
このまえあわしまから帰ってきたとき、パパがバッグをかたづけるのを見たから、どこにあるのかも知っているわ。パパのおへやのおしいれよ。
だからときどきパパのおへやに行って、きゅいんきゅいんとおねがいするの。
バッグを出してちょうだいって。
あたしは夜ねる時やパパとママがおでかけするときはケージの中にとじこめられる。だから、ケージを開けてもらうと、うれしくてうれしくてしかたがない。すぐに出てあちこちうろうろして、たいていはパパがおしごとしているあしもとで寝ている。
とくに夏のあいだはパパの足もとはひんやりしていてきもちよかったの。だからいつもパパの足元でおひるねしていたわ。あんまりパパの足もとに寝そべっているから、このまえパパのイスのキャスターで耳をひかれて、あたしは痛くて痛くて「きゃいいん」ってさけんだのだけれどね。
きょうもケージからだしてもらったわ。でもね、さいきんちょっとパパのおへやのゆかはひんやりしすぎだわ。あたしはあたしのきもちいい場所をみつけて、おひるねするの。もうね、パパのおへやはきもちよくないのよ。パパのおへやとちがって、もっとおひさまのあたるぽかぽかした場所がいいわ。あたし。
パパはさっき、「おや?くるみはどこにいるのかな?」ってあたしをさがしに来た。あたしはここでおひるねしていたわ。
パパは、 「なんだかちょっと、さみしいよぉ」って、ママにメールをしていた。
どんまい。
いずもざきというところに行った。
海があった。
ママが「ほら、くるみ。見てごらん」ってあたしをよんだ。
ふむふむ。なるほどね。
よくわからないけど。
あたしの手にかかれば、しんぴんのおもちゃもあっと言うまにバラバラだわ。
ママはおこった後でなげくの。いそがしいわね。
あたしのたんじょうびは、10月30日なんだって。
このまえ、ママがあたしにたんじょうびのプレゼントというものを買ってきた。でも、まだたんじょうびじゃないからダメよって、かたづけられちゃったの。いじわる。
パパとママのたんじょうびは11月。でも、「まえだおしで買っちゃえ」って、あいぽっどというものを買ってきた。たんじょうびはまだ来ていないのに、いえにかえってくるなり、おるすばんをしていたあたしをむししてママはじぶんのたんじょうびプレゼントを開けていた。いっかげつもまえだおしするなんて、いくらなんでもふてぶてしすぎるわよ。
かわいそうだから、くるみにもプレゼントをあげたら?ってパパが言って、ママがあたしにプレゼントをくれた。
なんだかとてもおおきいわ。
あたしはうれしくてうれしくて、なにをしているのか自分にもよくわからないくらいよ。
とりあえずかんでみたわ。ママにしかられたわ。
「かんではいけません」ってママに取り上げられそうになった。
ちょっと。これはあたしのものでしょ。かえしてよ。
中に入れるのね。よいしょっ。と。
あらあらあら。
あらあらあら。ちょっとどうにかしてよ。たすけて。
ちょっと、びっくりしたじゃないの。
これからさむくなるから、あたしはここがきにいったわ。
みんなからのプレゼントもぼしゅうちゅうよ。
だいじょうぶ。たんじょうびのぜんごはんとしかんはうけつけちゅう。
土日と、あたしはりょこうに行ってきたわ。
土よう日はかわさきのとどろきりょくちこうえんという所に行った。朝早く着いたから、あちこちたくさん歩いたわ。パパとママは、『3時間くらいくるまの中でぐっすり眠れるように、疲れさせちゃえ』って言っていたけれど、なんのことだかよくわららない。
夕方になったら、パパとママはあたしをくるまの中に入れて、どこかに行っちゃった。外では大ぜいの人がわーわー言う声が聞こえたけれど、あたしはつかれてねむっちゃったわよ。
夜はくるまの中で、パパとママといっしょにねたの。あたしはとちゅうから目がらんらんとさめちゃって、パパのお顔をぺろぺろしようとしたら、しかられたわ。
まだくらいうちからしゅっぱつして、にっこうという所に行った。「けごんのたき」というところでは、あたしはくるまの中でおるすばん。つまんない。
でも、「りゅうずのたき」ってところではあたしもいっしょにつれて行ってもらったわ。
左にうつっているのは、あたしのことをなでてくれた女の人。ママとは「えいご」っていうことばでお話ししていた。もちろんあたしには何を言っているのかちんぷんかんぷんだわ。
そのあと、せんじょうがはらというばしょをおさんぽしたわ。
あるくとかさかさ音がして、おもしろい。
パパとママは 「保護色」ってわらっていたけど、なんのことよ。
さいきんあたしはパパの部屋がさむくてきらい。
そしたらママが、パパの部屋におくための、あたしのベッドを買ってきてくれたわ。
あたしはこれがきにいってきにいって。パパとママがテレビを見ているときでも、あたしはここにいたわ。パパのおへやはまっくらでだれもいないけど、それでもいいの。
「くるみ。もうねる時間だから、ハウスに入りなさい」って言われたけれど、あたしはここを動きたくない。
そしたらママが 「じゃあ、きょうはとくべつにここでねていいわ」って言った。
あたしの初めての、ひとりがいはくよ。
パパのおへやでおひるねしていたら、パパのたなから何かが落ちた。
さっきパパが買ってきた、ふくろに入ったちいさなちいさな紙きれだ。それが4枚つながっている。
あたしはパパに見つからないようにそっとベッドをぬけ出して、ふくろをくわえてパパのおへやからぬけだした。
あたしは紙をばりばりにやぶくのがだいすきだわ。
パパのおへやからぬけだして、さっそく、ちいさなちいさな紙の入ったふくろごと、「ばりばりばり」ってかみちぎったの。
その音を聞いて、パパがあわててやってきた。
あたしを見て、パパは、「こらーっ。くるみっ!」 ておこった。
あたしはおこられたから、こうさんのポーズをしてあやまったわ。
こうさん。こうさん。
パパは半分泣いていた。
「なにも120円切手でやることはないじゃないか」って、半分泣いていた。
あたしにはなんのことやら、さっぱりだわ。
パパ。どんまい。
きょうはあたしのたんじょうび。あたしは1さいになった。
ママはかいしゃのおともだちから、あたしへのプレゼントをもらってきた。
あひるおもちゃと、おいしそうなごはん3しゅるい。ありがとう。
パパとママももうすぐたんじょうびだから、みんなまとめてたんじょうび会をやるんだって。あたしのためのとくべつなケーキがあるんだよって、ママがなにかをとりだした。パパはなんとなく 「けっ。今の犬はナマイキだなぁ」 ってかおをしていたけれど。
おへやがくらくなって、ちいさなあかりがついたわ。
きれいね。でも、あたしはおいしそうなにおいが気になって気になってしかたがない。くんくんくん。
たべていい? たべていい?
いつものごはんとおなじように、「よし」って言われるまで、あたしはおぎょうぎよくおすわりしてまったわ。
まだ? まだダメ? たべちゃダメ?
いじわるしないでよ。あたしは早く食べたいのよ。
ああもう。気になって気になってしかたないわ。
いい? もういい?
ママが 「よし」 っていったから、あたしはおおよろこびで食べた。うまれてはじめて、ケーキというのを食べたの。
ケーキって、上になにかぬってあるのね。ふーん。クリームっていうの? ときどきママからもらうヨーグルトみたいなものかしら? とりあえずこれをなめてみるわ。ぺろぺろぺろ。
あらあらあら。おはながまっしろだわ。とりあえずクリームはぜんぶなめたわ。あたし。つぎはこのふわふわしたものをたべるわね。がつがつがつ。
ふむふむ。なかなかのお味ね。
ママは 「ちょっと量が多いから、半分は明日にしましょう」って言って、あたしのケーキをとろうとした。
ちょっとまってよ。これはあたしのよ。あたしはぜんぶ食べたいのよ。
あたしは『とられてなるものか』と、ひっしで食べた。
ひっしすぎてむせたわ。けほけほ。
やあねぇ。あたしはもっとゆうがにケーキをあじわいたかったのに。
あたしはたんじょうびが気にいったわ。 あしたもたんじょうびしたいわね。
でもママはいちねんに1回だけよ。って言うの。
けちね。