ここしばらくパパがね、「もう10年も乗ったんだから、次のを買っても罰は当たらないよなぁ」ってそわそわしていた。 ママはパパのおもわくはそっちのけで、「私はあの色がかわいいから好き。ねえあれにしようよ。予算オーバー? 大丈夫。次も10年使うと思えば安いものよ」だって。
そしてわがやにこんなものが来た。 パパは朝から油をさしたりワックスをかけたり高さをちょうせつしたりとおおいそがし。
あたしはパパにかまってもらえなくてさみしかった。 だからパパにまとわりついて、「ねぇパパ、あたしとあそんでよ」っていっしょうけんめいアピールしたの。 アピールしたのだけれど、どうにもむだだったみたい。さみしいわ。
ねえパパ。これはおいしいの?
あたしも乗りたいわってパパに言ったら、「短足には無理」って、いっしゅうされたの。 でもねパパ。その言葉はパパの頭の上につきささっているわ。