ようやく、ほんのちょっとだけお外がぬくぬくしてきたから、あたしはそろそろお庭のパトロールをさいかいしたの。
そしたら、なにかのタネがぼろぼろたくさん、あちこちにころがっていたの。
これはあやしいわね。わがやのへいわをみだす悪のつかいのタネかもしれないわ。
あたしはさっそくしめいをはたすため、ひとつくわえておへやの中にもちかえって、じっくりとぶんせきしてみたわ。
ひとつじゃよくわからなかったので、もうひとつタネをおにわからもってきた。でもやっぱりよくわからないので、もういっかいもってきて、でもやっぱりよくわからないので、もうひとつもってきて、
でもって、けっきょく
パパにえらいこと、しかられたわ。
あたしはわがやの安全を守るしめいをはたそうとがんばったのに、しかれたのがとってもふまんだわ。
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きのう、パパとママは「あずきが残ったから、今日の朝は名古屋風」と言って、焼いたパンにあんこを乗せて食べていた。
甘そうなにおいにあたしはドキがムネムネしたのだけれど、ちょっとも食べさせてくれなかったの。ケチね。
きっと、パパとママはごはんと見せかけて、朝からおかしを食べているにちがいないわ。
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ママが、桃の花を買ってきた。あたしは桃の花をはじめて見るわ。きれいね。
お花のつぼみがポロポロゆかに落ちたので、あたしはさっそくぶんせきにとりかかったわ。くんくんくん。いいにおいがするわね。では食べてみるわよ。カジカジカジ…。食べるものではありませんってママにしかられたわ。
きょうは女の子の日なんだよってママが言った。わがやはたいてい女の方が強いので、いまひとつじっかんがわかないけれど、女の子の日というのはなかなかいいことね。
パパとママはとってもいいにおいのするものを食べていた。「さわやま」という、にいがたではちょっとゆうめいなお店のおかしなんだって。でも、あたしにはひとつもくれなかったの。
あたしは女の子の日を好きになりかけたけれど、おいしいものを食べられないのならやめとくわ。
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土よう日のごぜん中は、パパとママはたいていおそうじをしている。あたしもてつだいたいのだけれど、いつもいつもじゃまものあつかいされるのよね。ふまんだわ。
せんしゅうの土よう日も、「くるみ。お庭で遊んでおいで」って言われて、よろこびいさんでお外に行ったら、まどをしめられちゃった。
あたしはすきまからかおを入れてお願いするの。ちょっとあたしをのけものにしないでよ。中に入れてよねって。
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お外がぬくぬくー、としてきたから、あたしはお庭でパパとなわのなげっこをしてあそんだ。
きょうは「けいちつ」という日なんだって。なるほどそれはいい日だわね。
…ところで、けいちつってなに？ 虫がもぞもぞ動き出す日なの？ じゃああたしにとってはあんまりよくない日だわ。
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ストーブの前でぼけ〜としているのはとってもきもちいいわ。
でもママやパパが近くに来ると、ちょっときんちょうする。とくにママがせんたくものをほしているときは注意がひつよう。
しっぽをふまれたり、足をふまれたり、ときどきはけられたりする。
でも、あたしはストーブの前からどかないの。
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桃のお花がさいたわ。きれいね。いっしょにきねんさつえいしたの。
桃のお花もあたしも、きれいでしょ。
でもあたしは、お花のぶぶんよりも、このみどり色のぶぶんがきになるの。くんくんくん。なんだか良いにおいがするのよ。
パパとママは、「葉っぱの方に興味があるなんて、不思議だなぁ」と言っていたけど、あたしはあたしの道を進むのよほっといてね。
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ママがきのうお花を買ってきたわ。ポピーというお花なの。
あたしはどちらかといえば食べられるものがいいのだけれど、でもきれいね。ポピー。
きのうつぼみだったお花が今朝にはつぼみの皮がおちていて、朝ごはんをたべているさいちゅうにみるみる大きく開いた。パパもママもびっくりするくらい、お花が開くのが早かった。
あたしはポピーの別のつぼみをかんさつすることにしたわ。
朝、しっかり閉じていたつぼみが、10時ころからみるみる割れてきた。
あたしは30分おきにつぼみをかんさつしたわ。
お昼前に、つぼみをおおっていた皮がぽろりと落ちたわ。
くんくんくん。
あたしは歌をうたいたくなったわ。
♪ おっかのうっえ、ひっなげしのはっなで〜 ♪
あたしはポピーが好きになったわ。
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お天気がよくてぽかぽかして、おへやの中よりもここのほうがぬくぬくして気もちいいから、あたしはべたーっとしているの。
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パパのおひざの上は広いから、あたしはまるくなっておひるねもできるのだけれど、ママのおひざの上はちいさくてせまいから、あたしはこれでがまんするしかないの。
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あたしはパパのパンツが好き。
パパがおふろに入ろうと、きがえのためのパンツとシャツをもってきて、せんめんじょに投げ入れた。
「でも、そのまえにトイレに行かなきゃ」って、パパがいなくなったいっしゅんが、あたしのしょうぶの時だわ。
あたしはダッシュでせんめんじょにしのびこんで
いきようようと、パパのパンツをもってくるの。
ママはあたしをみて、「いかにも『獲物をゲットしましたっ！』てかんじね」とほめてくれる。
パパは 「なんでいつもシャツではなくてパンツをくわえてくるんだろう。洗濯したから匂いは一緒のはずだし。とすると、色で判断しているのかな？」とふしぎそうだわ。
あたしはパパのパンツでふがふがとあそぼうとするのだけれど、すぐにパパにとりあげられるの。ふまんだわ。
しかたないから、あたしはつぎのえものをもってくるの。
これでがまんするわよ。ふんだ。
あたしはやっぱり、パンツのほうがすきだわ。
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